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2023/0203

資産運用

資産を2倍にするのにかかる期間がわかる「72の法則」

令和5年度税制改正の大綱等においてNISA制度の拡充の方針が発表されるなど、「貯蓄から投資へ」のシフトが活発化してきたように感じます。

また、昨今の物価上昇により、お金を増やすだけでなく目減りさせない=資産保全のためにも資産運用の重要性は増してきているのではないでしょうか。

皆様は資産運用の際に、どのくらいの期間で預けたものが倍になるか、考えたことはありますか?

預貯金などにつく金利の計算方法には「単利」と「複利」があります。単利は最初に預けた元本にのみ利息がつくものです。一方の複利は預入期間中についた利息を元本に加え、その合計額を新たな元本として利息を計算します。

単利と複利では同一の金利でも実際に受け取れる利息の額は異なり、複利の場合、金利が高いほど、または預入期間が長いほど、利息も大きくなります。

たとえば、金利が5%で、1年ごとに利息が支払われる預金に100万円を預けた場合の単利と複利の1年後の元利合計はどちらも105万円ですが、10年後には単利は150万円、複利は162万8895円と13万円近くの差がつくのです。

複利は計算も面倒ですが、複利で運用した際に元本が2倍になるまでにかかるおおよその年数がわかる「72の法則」という計算式がよく知られています。「72」を金利(年利)で割って算出される数字が、元本が2倍になるまでにかかる年数を表すとされます。ただし、あくまで概数であり、正確な数字ではないことに注意が必要です。

超低金利時代の現在、定期預金(10年もの)の平均金利は0.002%(2023年1月31日、みずほ銀行金利参照)ですが、この金利だと預金を2倍にするのに3万6000年もかかる計算です。金利を50倍の0.1%まで引き上げても2倍にするには720年もかかります。

2%の金利なら、2倍にするのに36年。このあたりまでくると、現実感のある年数かもしれません。バブル経済のころは年利5~6%台の定期預金が珍しくなく、6%なら12年で2倍になる計算です。

この法則を応用すれば、10年で元本を2倍にするには何%の金利で運用すればいいのかという計算もできます。金融商品に投資する際の参考にしてみてください。