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2020/0123

節税対策

親からの資金援助がある方急ぎましょう!

今回は特に親からの資金援助がある方に対して、ピックアップした記事となります。
2020年3月31日を持って住宅資金贈与の非課税枠が変更となります。

現状:一般物件2,500万(省エネ住宅3,000万)
住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の一般住宅
平成31年4月1日~令和2年3月31日 3,000万 2,500万
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1,500万 1,000万
令和3年4月1日~令和3年12月31日 1,200万 700万

住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合
上記の図のマーカー部分のようにこの日を境に親からの贈与の非課税枠がかなり変更となります。
物件の内容にもよりますが、単純に1,500万以上!この額を一般的な贈与で受け取ると約500万程度の贈与税が発生します。これではもらう金額から500万の金額を差し引いた額で贈与を検討しなくてはなりません。
今回はこの対策案も踏まえて検討して参ります。
① 暦年課税(年間110万円の非課税枠)
② 相続時精算課税制度
③ 課税対象分については物件に親の名義を入れる。
④ 親とお金の貸し借りの契約(金銭消費貸借契約)

① 親からの住宅資金贈与の基礎控除(非課税枠)を超えた部分は暦年110万の非課税枠で贈与を受けていく制度です。ただし、贈与で足りない部分は一時的に住宅ローンを組み、時間と共に解消していく必要があります。
② 贈与の翌年の3月15日までに行う贈与税の申告では、暦年課税でなく「相続時精算課税」を選ぶこともできます。これは、60歳以上の父母または祖父母からの贈与について、相続までの贈与額を相続財産に加算し、納めた贈与税を相続税で精算する制度です。
当制度は「住宅取得等資金の非課税」とも併用可能であるため、大きな金額の贈与がある場合は検討されても良いかと思いますが、下記2点のデメリットがあるため、活用は相続への影響も考慮された方がよいです。
・ 2500万円の特別控除額分は相続財産に加算され、相続時に相続税で精算されるため、非課税ではなく、税金の繰り延べとなる。(贈与税と相続税の税率は異なるため、単純な繰り延べとはならない)
 ・ 相続時精算課税を選ぶと、贈与した親との間で暦年課税の基礎控除は使えなくなる
③ 単純に贈与分で非課税枠を超えてしまった部分について、本人が住宅ローンを組むことができなく、かつ、贈与税を支払いたくない場合に、非課税の超過部分については親が持ち分(名義)を持つ。
④ ③の部分で、それでも親に持ち分(名義)を入れたくないor親が持ち分を持ちたくない場合に親子間でお金の貸し借りの契約を結び、子から親へ返済をしていく。

以上のような対策案がありますが、④については本当に返済しているのか?といった懸念も残るため、必ず通帳に返済履歴を残しましょう。

① の暦年贈与にスポットを当てるとすれば、基礎控除(非課税枠)110万/年の受け取り方にこだわらなくても良い気もします。
確かになるべく税金は支払わなくていいように受け取りたいと思う方が多いとおもいますが、親の年齢によって受け取れる期間が変わってきます。(相続対象時の3年以内の暦年贈与分は相続財産とみなす)

住宅ローンを一時的に組むことになればそれだけ金利が発生してきます。1,000万を基礎控除枠で受け取っていくと単純に約9年かかります。
仮に年間300万の贈与を受けて贈与税を支払ったとします。
300万の贈与で3年(贈与税:約18.5万/年)と残り1年の基礎控除110万で1,000万を贈与した場合に半分以下の4年間で1,000万の贈与を受けられます。(贈与税:約55.5万)
さて、住宅ローンの借入金利にもよりますが、9年間で1,000万円を受け取った場合に住宅ローン金利は贈与税の55.5万円分を超える可能性もございます。

この9年で支払う金利と仮に贈与税が発生しても支払う税金を比較し、お得な方を選択されも良いのではないでしょうか?時間は有限です、非課税よりも大事な瞬間があります。
これは各ご家庭によって意見は変わってきますが、上記の④つでどの対策をとろうか迷われた時の一つの選択肢としてお考えください。
又、①は住宅資金贈与ではなくても、親からの生前贈与対策として検討されてる方々にも有効です。