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2022/0531

その他

ZEH

「東京都が住宅に太陽光パネル義務化」のニュースが流れ、ますます世の中はSDGs(すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する)やカーボンニュートラルへ進んでいることを実感します。地球規模での人類の存続に起因するので当然と言えるでしょう。

そこで今回は、【ZEH】についてふれてみようと思います。なぜ、今さらZEHなのかというと、令和4年度税制改正により住宅ローン控除の限度額が条件により変わることも大きな注目点です。こちらについても後ほど少しだけ触れたいと思います。

では、そもそもZEHって何?

ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を略した呼び名。「断熱」「省エネ」「創エネ」でエネルギー収支をゼロにする住まいです。「断熱」「省エネ」「創エネ」それぞれ基準を満たさなければなりません。

簡単に概要としては以下の説明となります。

■断熱性能

断熱性能とは、室内外に熱を伝えにくくする性能のことです。断熱性能に優れた住宅は、夏の熱い外気を室内に伝えず、また冬の室内の温かさを外に逃さないので、冷暖房費を削減しながら年中快適に過ごせるのです。断熱性能は「UA値(外皮平均熱貫流率)」という指標で表されます。ZEHの基準では、このUA値を0.4〜0.6[W/㎡K]以下という比較的低い数値でクリアすることが求められています。

■省エネ性能

ZEHでは、住宅に省エネ効果の高い設備を導入することによって、一次エネルギーの消費量を従来よりも20%以上削減することが求められています。特に、エネルギー消費の大きい「空調」「照明」「給湯」「換気」の4項目においては、ZEH基準を満たした機器を使用する必要があります。

■創エネ

創エネとは、エネルギーをつくり出すことです。ZEH住宅では、太陽光発電をメインとして家庭用燃料電池や蓄電池なども組み合わせて導入します。これにより、日常的なエネルギー消費だけでなく災害時のエネルギー補充にも役立てられるのです。ここでよく勘違いを起こしやすい点としては、太陽光発電があればZEHになるとイメージしがちな点です。確かに、太陽光発電があれば、創エネとしてエネルギーを作り出し、更には省エネにも寄与できるからです。しかし断熱性能の基準をクリアしていなければ、ZEH住宅ではないことになります。

住宅ローン減税においても限度額が変わってきます。その中に「ZEH水準省エネ住宅」の条件を満たしていれば、限度額が4500万円(R4年・R5年)です。ZEH水準省エネ住宅の基準とは、断熱性能5・一次エネルギー消費性能6をクリアしていることです。ここでわかるように、太陽光発電設置自体が必須アイテムではないということです。太陽光発電(パネル・蓄電池)は創エネ・省エネにおいて最も有効なツールであることは、今の社会情勢・流れからしても間違いないかと思います。

購入予定のお住まいがZEH住宅やZEH水準省エネ住宅の当てはまらなくても、太陽光発電設備(パネル、蓄電池など)を設置することにメリットも多くあるので、検討する価値はあります。今後のライフスタイルが地球規模の環境に関連していくことは必須です。1つのキーワード(今回は「ZEH」)からライフスタイルを考えることも良い機会かもしれません。